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よりよい小動物医療環境の創成をめざす臨床情報誌【インフォベッツ】(infoVets)

よりよい小動物医療環境の創成をめざす臨床情報誌【インフォベッツ】をご紹介致します。

2015.11.15 発行

【インフォベッツ】178号

<動画リンク>

『infovets』連載記事、髙橋文孝先生の「動物のQOLをあげるために〜リハビリを理解しよう:Vol.4 馬尾症候群」より、変性性腰仙椎狭窄症、ロードーシス試験、黄色靱帯除去に関する動画です。

馬尾症候群は、腰仙椎接合部における先天的な形成異常、不安定性、または椎間板変性や周辺の軟部組織の肥厚などの二次的変化に伴う脊柱管狭窄、または椎間孔狭窄によって、脊髄終末部である馬尾神経ならびに神経根が圧迫されることで起こる臨床徴候の総称です。

記事では、馬尾症候群とそのおもな病因である変性性腰仙椎狭窄症の病態、診断、治療(外科的処置)について詳細に解説しています。詳しくは『infovets』178号、42〜52ページをご覧下さい。

動画タイトルをクリックすると、Youtubeへジャンプします。

■動画1 変性性腰仙椎狭窄症が疑われたジャーマン・シェパード・ドッグ(雄、1歳9カ月齢)

半年前からの後肢のふらつきを主訴に来院。腰部を下げて、後肢のふらつきが認められた。歩行検査の後に、整形外科学的検査およびX線検査を実施したが、股関節形成不全を疑う所見は認められなかった。本症例はロードーシス試験が陽性であり、変性性腰仙椎不安定症の関与が疑われたが、飼い主はMRI・CT検査を希望しなかった

■動画2 後肢のナックリングを呈するジャーマン・シェパード・ドッグ(去勢雄、9歳齢)

数日前からの後肢のナックリングを主訴に来院。右後肢の固有受容位置感覚は遅延しており、左後肢においては消失していた。MRI・CT 検査にてL6~7 、L7~S1椎間における馬尾神経の圧迫とL7~S1椎間における神経根狭窄が確認され、その後、減圧術および椎体安定化術を実施した

■動画3 左後肢の神経根症状を呈するビーグル(雄、7歳齢)

NSAID 投与にて改善が認められない左後肢跛行を主訴に来院。左膝関節および足根関節が屈曲していない神経根症状を呈していた。左股関節を後方伸展させると痛みも誘発された。X線検査および整形外科学的検査にて、股関節および膝関節における異常所見は認められず、MRI・CT検査により変性性腰仙椎狭窄症と診断された

■動画4 ロードーシス試験

膝関節と股関節を伸展させずに、腰仙部に圧迫をかけて、疼痛反応を評価する

■動画5 肥厚した黄色靭帯の除去

脊柱管が露出されると、肥厚した黄色靭帯が確認されるため、馬尾神経を傷つけないようにしながら鋭性に切開し切除することで、黄色靭帯による馬尾神経の絞扼を解除する

<動画リンク>

『infovets』連載記事、長坂佳世先生の「動物のQOLをあげるために〜リハビリを理解しよう:Vol.4 馬尾症候群」より、変性性腰仙椎狭窄症のリハビリに関する動画です。

一般的に臨床現場で遭遇する馬尾症候群の原因は、腰仙椎領域の靭帯や椎間板が加齢にともない変性を起こす結果、脊柱管や椎間孔が狭窄し、馬尾領域の神経を圧迫して神経障害を発現させる「変性性腰仙椎狭窄症」です。

記事では、馬尾症候群のなかでも高齢化により遭遇頻度が増加した感のある変性性腰仙椎狭窄症のリハビリについて詳細に解説しています。詳細は『infovets』178号、53〜56ページをご覧ください。

動画タイトルをクリックすると、Youtubeへジャンプします。

■動画1 変性性腰仙椎狭窄症疑いの症例 保存療法

レオンベルガー、雄、8歳齢。重度のナックリングを呈しながら歩行している

■動画2 動画1の症例

ナックリングしながら何度かハードルを越える歩行訓練を行うと、動画のように大げさに後肢を持ち上げながらハードルをまたぐようになる。結果、足裏で着地するようになり、ナックリングは起こらなくなる

■動画3 動画1の症例の経過(約1年)

初診時は飼い主の補助なしでは起立できず、歩行も困難であったが、起立訓練、ハードル、水泳などの結果、自ら体重を支え、ナックリングなしで歩行が可能となった

■動画4 変性性腰仙椎狭窄症:外科手術後(YPC 東京動物整形外科病院提供)

ワイヤー・フォックス・テリア、雄、12歳齢。ナックルン(anifull製)装着での歩行

■動画5 屈伸運動

座位から起立後「静止」がポイント

■動画6 バランスディスク上での屈伸運動

床上での運動より筋力、バランス感覚ともに必要となる

<特集>犬の膵炎2015
いかに診断、そして治療するか~臨床医からの提案

犬の膵炎は、複数の膵特異的なリパーゼが使用可能になったことから、診断については大きな進歩を遂げましたが、いまだしっかりとしたガイドラインが確率しておらず、超音波画像診断などほかの検査との総合的な判断が求められます。一方、治療においても、経験則やエビデンスレベルの低い論文をもとに議論されているところが多く、治療に関する統一した見解があるとはいえない状態です。

こうした現状を踏まえ、今回の特集では、犬の膵炎の診断の現状と、治療のコンセプトと問題点について大野耕一先生に、また超音波画像診断による膵臓の描出について戸島篤史先生にご執筆いただき、さらに臨床現場の実際の診断や治療に関して、大野耕一先生からの質問に、坂田実先生、鳥巣至道先生、中島亘先生にご回答いただきました。臨床現場での膵炎の診断・治療にお役立ていただける内容となっております。

  • ▼犬の膵炎 診断の現状…大野耕一
  • ▼犬の膵炎 画像検査 膵臓の描出法と膵炎でよく認められる所見…戸島篤史
  • ▼犬の膵炎 どう診断するか アンケート:私はこうしている…[質問者]大野耕一 [回答者]坂井 学、鳥巣至道、中島 亘
  • ▼犬の膵炎 治療のコンセプトと問題点…大野耕一
  • ▼犬の膵炎 どう治療するか アンケート:私はこうしている…[質問者]大野耕一 [回答者]坂井 学、鳥巣至道、中島 亘

<ミニ特集>シェルター・メディシンのいま

  • ▼シェルター・メディシンは身近な獣医療である…西山ゆう子
  • ▼都市型シェルターの目指すもの~ランコントレ・ミグノンから学ぶ…友森玲子

<Study>

  • ▼NSAIDが原因と考えられた骨髄壊死の犬の1例…森下啓太郎
  • ▼2014年 ケナガネズミ保護活動 報告書…玉那覇彰子

<連載>

  • ▼臨床兆候から神経学的検査へ
    [第4回]C6~T2脊髄分節疾患…金園晨一
  • ▼動物のQOLを上げるために~リハビリを理解しよう
    [第4回]馬尾症候群…高橋文孝
    [第4回]馬尾症候群…長坂佳世
  • ▼Emergency CASE CONFERENCE 夜間救急の現場からーまず患者を救うために
    [第4回]心タンポナーデの患者が来院したら…中村篤史
  • ▼アレルギーを制することが、皮膚病コントロールへの道である
    [第4回]犬の食物有害反応への対応<後編>…川野浩志
  • ▼僧帽弁閉鎖不全症を学び直す―しっかり診断、適切な治療へ-
    [第4回]治療 急性心不全およびStage C における内科治療…高野裕史、上地正実