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よりよい小動物医療環境の創成をめざす臨床情報誌【インフォベッツ】(infoVets)

よりよい小動物医療環境の創成をめざす臨床情報誌【インフォベッツ】をご紹介致します。

2016.01.15 発行

【インフォベッツ】179号

<動画リンク>

『infovets』連載記事、髙橋文孝先生の「動物のQOLをあげるために〜リハビリを理解しよう:Vol.5 前十字靭帯断裂」のうち、前十字靭帯断裂における検査(歩様検査、脛骨前方引き出し試験、脛骨圧迫試験、関節鏡検査)に関する動画です。

前十字靭帯断裂は、小動物整形外科領域において、後肢跛行の原因としてもっとも診断される機会が多い疾患の1つです。しかし、その詳細な病態については、いまだ完全に解明されていません。前十字靭帯断裂をより正確に診断するためには、的確な問診、整形外科検査および適切なポジショニングによるX線検査を実施する必要があり、さらに股関節形成不全や膝蓋骨内方脱臼などの疾患との鑑別診断も必要になります。

記事では、YPC東京動物整形外科病院での診断、治療法をまじえて、前十字靭帯断裂について詳細に解説しています。詳しくは『infovets』179号、40〜45ページをご覧下さい。

動画タイトルをクリックすると、Youtubeへジャンプします。

■動画1 前十字靭帯断裂症例の歩様検査

前十字靭帯断裂の症例では、患肢を挙上したり、負重性跛行を呈することが多い

■動画2 脛骨前方引き出し試験

試験者の片手の親指を外側腓筋頭種子骨の上に、人差し指を膝蓋骨の上に、もう片方の手の親指を腓骨頭の上に、人差し指を脛骨粗面の上に置き、4本の指を結んだものが台形となるようにする。指を配置したら、膝関節の関節面を意識しながら、大腿骨に対して脛骨を前方へ動かす

■動画3 脛骨圧迫試験

試験者の片手で膝関節を包み込むようにして、人差し指を脛骨粗面の上に置き、もう片方の手で中足骨領域を保持する。本試験の際には、膝関節を中立位からやや伸展位とし、膝関節を屈曲しないように保持しながら、足根関節のみを屈曲させ、脛骨の前方変位の有無を確認する

■動画4 前十字靭帯完全断裂症例(ヨークシャー・テリア、去勢雄、3歳5カ月齢、体重3.2kg)の関節鏡検査

■動画5 前十字靭帯部分断裂症例(ゴールデン・レトリーバー、去勢雄、2歳8カ月齢、体重35kg)の関節鏡検査

■動画6 内側半月板の損傷を認めた前十字靭帯断裂症例(ゴールデン・レトリーバー、去勢雄、1歳5カ月齢、体重38kg)の関節鏡検査

■動画7 両後肢跛行を主訴に来院したシベリアン・ハスキー(7歳齢、不妊雌、体重30kg)

■動画8 両側TPLO 術後1カ月の歩様検査(動画7と同一症例)

<動画リンク>

『infovets』連載記事、長坂佳世先生の「動物のQOLをあげるために〜リハビリを理解しよう:Vol.5 前十字靭帯断裂」のうち前十字靭帯断裂のリハビリに関する動画です。

前十字靭帯断裂は、犬の整形外科疾患において非常によくみられる疾患の1つです。治療は、症例のサイズ、年齢、全身状態、生活スタイル、半月板損傷の有無などにより、保存療法が選択されることもありますが、基本的には外科対応の疾患です。前十字靭帯断裂のリハビリテーションでは、保存療法、外科治療のどちらのケースにおいても介入することが可能です。

記事では前十字靭帯断裂のリハビリテーションについて、保存療法、外科治療の両方のケースについて解説しています。詳細は『infovets』179号、46〜50ページをご覧下さい。

動画タイトルをクリックすると、Youtubeへジャンプします。

■動画1 前肢の関節可動域運動・ストレッチ

手術直後のリハビリの目的の1つである患肢以外の機能維持のための運動療法

■動画2 ハムストリングスの強化

傾斜を使用し、前肢を高い位置に乗せる。ゆっくり尾側へ体重移動するとハムストリングスがしっかり収縮するのが触知できる

■動画3 後肢の筋肉量測定

測定位置は本連載第1回総論(175号)を参照のこと。健常肢、患肢ともに測定し、変化をみていく

■動画4 後肢の関節可動域測定

筋肉量同様健常肢と比較する。また、膝関節のみでなく後肢の全関節の可動域を測定する

■動画5 両側CCLRの歩行

前傾姿勢で後肢の歩幅は短縮している

■動画6 動画5の術後の経過

TPLO後、アイシング、起立訓練、1日2回10分程度からの歩行訓練のみで入院中にここまで改善する

■動画7 ハードル越え

飛び上がらない程度の高さを越えさせる

■動画8 膝の安定化が得られてきたら不安定な床面の歩行やハードル越えなどを組み合わせることも可能である

<特集>免疫と疾病・治療

免疫系は、自己と非自己を区別し、非自己を体内から排除するシステムであり、この働きによって生体はがんや感染症といった疾病を免れることが可能です。しかし一方で、近年の獣医療の進歩によって、免疫系の関与する疾病、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、自己免疫疾患などの診断機会も増加しています。

今回の特集では、免疫系のメカニズムの基本から、アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎の診断・治療、自己免疫疾患と免疫関連の疾患の診断・治療について、また免疫の働きを用いたがん治療、感染症との関連、また中枢神経系への関与について、免疫に関与する幅広い話題を各先生方にご執筆いただきました。

  • ▼免疫系の仕組み~自己と非自己を見分ける免疫系のメカニズム~…増田健一
  • ▼犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギー性皮膚炎~的確な診断・治療のための基本事項~…伊藤直之
  • ▼がん新規療法~獣医療に臨床応用が可能な第4のがん治療法~…水野拓也
  • ▼自己免疫疾患~免疫介在性溶血性貧血(IMHA)発症メカニズム~…大森啓太郎
  • ▼中枢神経と免疫~BBBとBCSFB の機能形態およびバリア破綻のメカニズム~…田村勝利
  • ▼感染症と免疫~ウイルスを中心とした感染における免疫の役割~…前田 健

<Study>

  • ▼犬および猫における輸血方法指針の提案…荻野直孝

<連載>

  • ▼動物のQOLを上げるために~リハビリを理解しよう
    [第4回]前十字靭帯断裂…高橋文孝
    [第4回]前十字靭帯断裂…長坂佳世
  • ▼臨床兆候から神経学的検査へ
    [第5回]T3~L3およびL4~S3脊髄分節疾患…金園晨一
  • ▼僧帽弁閉鎖不全症を学び直す―しっかり診断、適切な治療へ-
    [第5回]治療 難治性心不全(Stage D2)および合併症/ 併発疾患に対する内科治療…高野裕史、上地正実
  • ▼Emergency CASE CONFERENCE 夜間救急の現場からーまず患者を救うために
    [第5回]心タンポナーデの患者が来院したら~治療編…中村篤史
  • ▼アレルギーを制することが、皮膚病コントロールへの道である
    [第5回]犬アトピー性皮膚炎の治療戦略<前編>…川野浩志