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よりよい小動物医療環境の創成をめざす臨床情報誌【インフォベッツ】(infoVets)

よりよい小動物医療環境の創成をめざす臨床情報誌【インフォベッツ】をご紹介致します。

2016.03.15 発行

【インフォベッツ】180号

<動画リンク>

『infovets』連載記事、髙橋文孝先生の「動物のQOLをあげるために〜リハビリを理解しよう:Vol.6 股関節形成不全」のうち、股関節形成不全の症例の病態、検査(オルトラニー検査、バーデン検査、関節鏡検査)に関する動画です。

股関節形成不全は、骨格形成期の成長速度が比較的早い中型犬種および大型犬種の股関節において発症率の高い、進行性の整形外科学的疾患です。股関節の弛緩ならびに不安定性によって、関節軟骨の磨耗または損傷とともに、二次的な骨関節炎(変形性関節症と同義)を発症することを特徴とし、一般的には両側性に認められます。股関節形成不全に対する外科的治療のなかでも、大腿骨頭・骨頸部切除術を施術した場合には、ほかの治療法を選択した場合と比較して、術後にリハビリテーションを積極的に実施することが、患肢の機能回復を促進します。

記事では、YPC東京動物整形外科病院での診断、治療法をまじえて、股関節形成不全について詳細に解説しています。詳しくは『infovets』180号、102〜106ページをご覧ください。

動画タイトルをクリックすると、Youtubeへジャンプします。

■動画1 後肢の歩様異常と運動不耐性を主訴に来院した股関節形成不全のラブラドール・レトリーバー(未去勢雄、8カ月齢、BW 25kg)

■動画2 数カ月前からの後肢跛行と疼痛を主訴に来院した股関節形成不全のホワイト・シェパード(不妊雌、7歳7カ月齢、BW 25kg)

■動画3 オルトラニー試験

股関節を内転し亜脱臼させた後、外転することで股関節が整復される際の大転子の動きを観察して判断する。大腿骨頭が寛骨臼内に整復された際に発生する音の聴取または触知によって、オルトラニー試験が陽性と判断する

■動画4 バーデン試験

大腿骨を片手で保持し、股関節を内転によって亜脱臼させた後、大転子を加圧し、亜脱臼した大腿骨頭が寛骨臼内に整復されるかどうかを評価する

■動画5 後肢のふらつきを主訴に来院したラブラドール・レトリーバー(未不妊雌、7カ月齢、BW 25kg)の股関節の関節鏡検査

軽度な滑膜炎と大腿骨頭靭帯周囲に軽度な炎症像が認められたが、大腿骨頭靭帯および関節軟骨はほとんど無傷であり、本症例は三点骨盤骨切り術(TPO)の適応と診断し、関節鏡検査後、TPOを実施した

<動画リンク>

『infovets』連載記事、長坂佳世先生の「動物のQOLをあげるために〜リハビリを理解しよう:Vol.6 股関節形成不全」のうち股関節形成不全のリハビリに関する動画です。

犬の遺伝性整形疾患の1つである犬の股関節形成不全は臨床上遭遇するケースが非常に多い疾患であり、大型犬で多くみられ、本邦ではゴールデン・レトリーバーに代表されます。股関節形成不全の外科的治療である大腿骨頭骨頸部切除術を行った場合は、股関節の動性を向上させるために、整形外科疾患のなかでもっとも早期から積極的に運動療法を介入させる必要があり、術後のリハビリテーションが大きな役割を担います。

記事では股関節形成不全のリハビリテーションについて、大腿骨頭骨頸部切除術後のリハビリテーションと、変形性骨関節症の管理について解説しています。詳細は『infovets』180号、107〜111ページをご覧ください。

動画タイトルをクリックすると、Youtubeへジャンプします。

■動画1 接地誘導(ゼファー動物病院)

股関節脱臼によりFHNOを行った症例(術後1日)であるが、術後挙上が抜けない場合は徒手により、または転倒しない程度に後肢のバランスを崩させることにより接地を誘導する

■動画2 負重訓練(ゼファー動物病院)

レッグペルテスによるFHNO症例(術後3日)。頭部を上げ、後肢へ体重がかかりやすいように誘導する

■動画3 歩行訓練(YPC 東京動物整形外科病院)

CHDによるFHNO 術後4日目の症例
1歳3カ月齢であるが、臀部、大腿部筋肉群の減少が顕著である。歩行時の股関節伸展の不足が観察できる

■動画4 下半身強化のための屈伸(動画3と同症例)

まずは座位姿勢時に足位置を正しく修正する必要がある。その後起立をして静止。これを数回から徐々に増やしていく

■動画5 股関節伸展 例1

上半身を少し高い位置に置き、後肢に負重させ移動せずに体幹を前後に動かす。動画は前後に揺らしているが、ストレッチの効果をより引き出すには、体幹を前方に移動し、股関節を伸展させた状態で10秒静止するのが好ましい

■動画6 股関節伸展 例2

動画5よりも上半身を高く保持することで、さらに股関節伸展が得られる。介入する時点での患者の状況により角度は選択すれば良い

■動画7 最後のFHNO 実施2週間後からの経過

トレッドミルでは前肢負重による前肢帯筋群に力が入っており、左側股関節伸展が弱いことが観察される。前肢をバランスディスクの上に置き屈伸運動を行った

■動画8 動画7の術後1年までの経過

トレッドミルでの歩行、走行、ディスク上での屈伸。バランスボードを使用した体幹強化など、さまざまな運動療法を行った

■動画9 股関節可動域運動、ストレッチ

股関節OAの患者は後方伸展で不快感を訴える。リハビリの目的は少なくともこの角度を維持し、可能なかぎり改善させることである。ストレッチは散歩や運動療法の開始前に行うと良い

■動画10 屈伸運動

起立時に歩き出さないよう静止させる。これにより筋トレ効果が得られるとともに股関節伸展による疼痛を回避できる

■動画11 水泳

水泳中の後肢は股関節を屈曲させ、おもにバランスや舵取りブレーキの役割を担う。なかには3頭目の犬のように股関節も伸展させて水泳するものもいる

<特集>抗菌薬を正しく使おう

近年、感染症疾患は減少していると言われていますが、日々の臨床において、抗菌薬を処方する症例は変わらず減っていないのではないでしょうか。これは、ウイルスによる感染症は減少したものの、抗菌薬を治療薬とする細菌による感染症は減少していないためか、あるいは、抗菌薬の使用が日常的な作業になっている可能性も否めません。耐性菌の問題が、ヒトの医療、家畜など大動物の医療で問題になるなか、小動物医療においてもその適性使用について見直す時期にきているのではないでしょうか。
本特集では、処方数の多い抗菌薬について理論的に検討し、また疾患ごとの適正な処方と耐性菌の問題について、下記の先生方にご執筆いただきました。

  • ▼抗菌薬治療を改めて考える…兼島 孝
  • ▼皮膚疾患への抗菌薬の使い方…大隅尊史
  • ▼創傷への抗菌薬の使い方…十川 英
  • ▼耳疾患への抗菌薬の使い方~目からウロコ⁉ 誤解だらけの耳疾患治療…杉村 肇
  • ▼泌尿器疾患への抗菌薬の使い方…丹野翔伍
  • ▼消化器疾患における抗菌薬の適正使用…桃井康行
  • ▼院内での検査方法をマスターしよう…片岡 康
  • ▼耐性菌にどう対処する~症例報告…杉山和寿
  • ▼薬剤感受性サーベイランス…早坂惇郎
  • ▼海外のガイドラインを日本の臨床に生かす…松田真理

<海外文献>

  • ▼AAHA/AAFP 犬および猫のための疼痛管理ガイドライン2015…西村亮平、鎌田正利、飯塚智也、長久保 大、牟田佳奈子、木原清敬

<ミニ特集1>重要な感染症・犬糸状虫症

  • ▼犬糸状虫症と宿主の免疫攻撃…早崎峯夫
  • ▼犬の犬糸状虫症~もう一度犬糸状虫症に向き合って、予防の大切さを再認識する~…田口大介

<ミニ特集2>ペットのメタボリックシンドローム

  • ▼アディポネクチンを用いたメタボリックシンドロームの診断基準…新井敏郎、森 伸子、岡田ゆう紀
  • ▼肥満の犬と猫の評価と食事管理…坂根 弘

<連載>

  • ▼臨床兆候から神経学的検査へ
    [第6回]全身性下位運動神経疾患…金園晨一
  • ▼動物のQOLを上げるために~リハビリを理解しよう
    [第6回]股関節形成不全…高橋文孝
    [第6回]股関節形成不全…長坂佳世
  • ▼Emergency CASE CONFERENCE 夜間救急の現場から ーまず患者を救うために
    [第6回]急性副腎不全症例が来院したら…中村篤史
  • ▼アレルギーを制することが、皮膚病コントロールへの道である
    [第6回]犬アトピー性皮膚炎の治療戦略〈後編〉…川野浩志
  • ▼僧帽弁閉鎖不全症を学び直す ―しっかり診断、適切な治療へ-
    [第6回]外科治療(僧帽弁修復術)〈前編〉…高野裕史、上地正実

<Study>

  • ▼日常診療に潜む血栓症 ~サプリメントによる血栓症リスク低減への挑戦~…村岡幸憲、根岸大吾、小川美里、宮川紀子