<特集>獣医光線温熱療法
腫瘍の三大治療法である外科的切除法、化学療法および放射線療法に対し、腫瘍罹患動物の高齢化、全身麻酔のリスク、薬剤の副作用などから、これらの治療法を選択する際の不安要素が増している。一方で、動物に負担の少ない治療法を飼い主が希望するケースも増え、治療方法の多様化が進んでいるが、緩和療法の観点からも注目されているのが、インドシアニングリーン(ICG)の光特性を利用した「光線温熱療法(Photodynamic Hyperthermal Therapy:PHT)」「光線温熱化学療法(Photodynamic Hyperthermal Chemotherapy:PHCT)である。約7年間の基礎研究と臨床研究をPHTの原理、メカニズムの解説とともに紹介する。