<特集>ミニチュア・ダックスフンドの大腸炎症性ポリープ
比較的新しい疾患とされるミニチュア・ダックスフンドの大腸炎症性ポリープだが、最近相次ぐ症例報告のなか、まだまだ病態など不明な点が多いのが実態である。東京大学動物医療センターにおける症例の回顧的研究によれば、2006年~2009年までの3年間に結直腸ポリープを有していた33症例のうち、15症例が炎症性ポリープと病理診断学的に診断され、うち12症例がミニチュア・ダックスフンドであった。犬種特異的腸疾患であり、遺伝的背景が強く疑われるが、人気犬種であるがゆえに今後の病態究明が必要な疾患について、多面的な検討を行った。