<特集>アレルギーを臨床から学ぶ
アレルギーとは、免疫反応が過剰に作用することで本来の防御作用とは異なった反応を起こすことを指す。これまで小動物獣医学領域ではヒトの病名をそのまま外挿してきたため、その定義が犬の疾患の実態に合わない状況が続いていた。本特集では、総論でまず、この混乱を整理するために、ヒトの病名とその定義について振り返り、犬における診断名を考えた。さらに、アレルギー検査の原理と診療への反映に関する解説や、難治性消化器症状を持つ症例に対する診断アプローチを再考し、犬における“消化器型食物アレルギー”についての考察を行った2症例の報告、Ⅰ型、Ⅳ型過敏症食物アレルギーとアレルギー性皮膚疾患の関係に絞り考察した報告、また、ヒトにおけるアレルギー性鼻炎に関するガイドラインや喘息に関する最近の話題から、日本大学動物病院呼吸器内科での最新知見まで言及した報告を収載した。